こんにちは!スタッフのKです。

 みなさん、アクティブ・ラーニングという言葉をご存知でしょうか。この言葉は2,3年前に流行したワードで、試験的に日本で導入されてきた学習方法ですが、今後、本格的な導入の動きが始まっていることで注目を受けています。

学力の偏り

 そもそも、日本の学力水準は世界の中でもトップレベルであると言われており、海外の学校に比べて学習指導要領が広く、いわゆる「知識型」の教育が重視されています。一方で、海外の学校では、正解が決まっていない問題を考えさせる教育に重きが置かれており、いわゆる「論理思考型」の学習が重視されています。

 もちろん、知識型だけでは実社会で応用する力は付きにくく、論理思考型も最低限の知識がなければ思考が深まらないため、両者が不可分であることは言うまでもありません。しかし、日本では昔から前者に偏りのある教育方針がとられてきたため、その偏りを是正するための教育の見直しが求められています。

アクティブ・ラーニングとその特徴

 アクティブ・ラーニングは教育の見直し策の1つとして推進されており、文字通り「生徒が能動的に学習すること」です。具体的には、ケーススタディ、グループワーク、グループディスカッション、ディベートなどが挙げられます。いずれも、大学の授業で時々取り入れられている学習方法といったイメージではないでしょうか?

 個人的な意見では、日本の学校は、教員による講義が授業時間の大半を占めるため、居眠りや他教科の宿題など、集中して授業に取り組む環境が整っていないように見受けられます。したがって、アクティブ・ラーニングを積極的に導入することで、これらの問題が解決できるのではないかといった期待が込められています。

アクティブ・ラーニングの特徴を簡単にまとめると…

 1、教員が一方的に教えるのでなく、生徒たちにグループで議論させて、自ら考える力を育てる。
 2、教員と生徒が一緒になって問題に取り組むことで、双方のコミュニケーションを促進させる。
 3、講義で聴いた内容よりも、自ら体験した内容の方が定着が高まる。

「Do you know ? 」から「What do you think ? 」へ

 これらの3つの特徴がアクティブ・ラーニングを導入するメリットであると思われます。そして、ここで欠かせないフレーズが「What do you think ? 」(あなたはどう考えるか。)です。この問いは、日本で幅広く行われている「選択式問題」のように答えることができません。あくまで自分の意見を始めから組み立てる「記述式問題」のように答えることが求められます。選択式問題といえば、センター試験(旧共通一次試験)が有名ですが、この試験が選択式から記述式に変更するといった議論もなされているほど、「What do you think ? 」に対する答えを自分で表現することが重視されているのです。そのためには、普段から自分で考える習慣をつけることが必要になってくるのではないでしょうか。