こんにちは!スタッフのKです。

 プログラミング教育を行っている中で、時にはご両親の方々から、様々なご心配のご意見を頂戴することがあります。今回から2回に渡ってそんな皆様のご心配に、出来る限り応えるべく、プログラミング教育の現状について少し考えて行きたいと思います。

プログラミングが受け入れられていない3つの理由

 以前の投稿で、プログラミングは英語のように普及していく、と述べましたが、現状はまだまだ両者には大きな開きがあるのが現状です。その中でいただいたご心配の声は下記のとおりです。

①そもそもプログラミングを何のために学ぶのかがわからない

②プログラミングは大切だとは思うが、子どもの内から学習する必要性はない

③コンピュータ上で行うものであるから悪影響が大きい

 それでは、①の理由から順にみていきましょう。そもそもプログラミングを学習する意義は、プログラマーになるためではありません。もちろん、多くの可能性を秘めた子どもたちがプログラミングを学習することで新しい才能が開花する場合も考えられますが、最も大きな意義はプログラミングで学んだ思考法を様々な分野で活用させることです。

 個々の事象を論理的に組み立てる力、複雑な課題の中から問題点を抽出する力、粘り強く続けられる集中力、緻密さ、創造性など多くのスキルがプログラミングには求められます。しかし、社会に出てから必要とされるこれらのスキルは、現行の学校教育ではあまり扱われてこなかった内容です。2020年からプログラミングが小学校の必修科目になるのも、こうしたスキルを鍛える教材としてプログラミングが適していると考えられるようになったからではないでしょうか。

 ②の理由については、少し前までは私自身もそう考えていました。しかし、便利な携帯やスマホが普及したことにより、小学生の大半が日常的にインターネットを利用しているのが現代社会です。例えば、世界的スマホゲームで話題の「ポケモンGO」や動画サイトYouTubeで定期的に動画を投稿している「YouTuber」など、小学生でも簡単にインターネットを利用するようになり、学校で友達との話題にあがることもしばしばです。

 また、子どもは興味のあるものに没頭しやすく、感覚で使い方を容易に覚えるため、場合によっては大人よりもスマホを使いこなします。そのため、子どもが何も考えずにインターネットを利用することの危険性は否めません。したがって、子どもの頃からプログラミングを通してインターネットの基本的な知識や仕組みを学んでおく必要性はあると考えられるのではないでしょうか。

 ③の理由については、おそらく、今までのコンピュータ教育が良い面以上に悪い面を強調して行われていたことに起因していると考えられます。例えば、有害サイトの勧誘や成長過程での悪影響などは、世間的によく言われることです。しかし、良い面については教育される機会が少ないように見受けられます。例えば、以前、コンピュータによって生み出された人工知能が人間の仕事を奪うかもしれないといった記事を掲載しましたが、それと同時にコンピュータのおかげで新たに魅力的な仕事が生み出されたのも事実です。

 あるいは、子どもが好きなゲームはコンピュータによって動いているものですが、生み出しているのは人間です。日々、生活している中で、プログラミングは様々な場面で利用されています。したがって、これらの仕組みを学ぶことで、子どもたちの創造性がより豊かになるのではないでしょうか。

最適なプログラミング学習法を考える

 ここまで、プログラミング教育に関するご心配の声と時代背景についてご紹介しましたが、今各地で行われているプログラミング教育法には課題が多く残っている思われます。次回はその課題に取り組んでいるおもしろい教育法をご紹介します。ぜひ、次回も読んでいただければと思います。