世界で最もプレイされているスマホゲーム「ポケモンGO」

 ポケモンGOも昨年の7月にリリースされてから、9ヶ月程経ちました。その人気は一時期に比べだいぶ落ち着いて来ましたが、定期的にアップデートが行われており世界で最もプレイされているスマホゲームであることは間違いありません。このような優れたゲームのキャラクターや原案が、日本の任天堂発であるということもとても素晴らしいことだと思います。

参考:日本のアプリ市場、ゲームの収益が9割~App Annieが世界トップ52社を公表
http://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1048268.html

 昨年開発元のNianticは、まだまだ未完成で全体の1割程度の完成度と言っており、リリース当初に一度プレイしただけの方は、現在は様々な機能が追加されているのでもう一度試してみても良いかもしれません。それでも、肝心の対人対戦・交換、協力プレイ等は未実装なので完成度はまだ全体の2割位でしょうか。

 ポケモンGOも保護者の方々の間では大きく2分されて、基本的に全く禁止というパターンと、親も一緒に遊んでいるというパターンがあります。私は後者のパターンで、今は大分落ち着きましたが、たまに息子用にもスマホを渡し、都内の公園を巡りながら一緒にポケモンを獲りにいったりしています。

 今回はそのポケモンGOで学べることについて少し私見を述べたいと思います。

プレイするだけで自然とIoTが身につく

 もちろん以前の投稿でも述べたとおり親の管理が重要で、親の見ている前でのみ許可する、時間の約束をする、などは大前提ですがポケモンGOでも子どもたちがコンピューター・サイエンスについて学べることはたくさんあります。

 ポケモンGOは、現代のスマホのテクノロジーをほとんど全て利用して作られているため、普通にプレイしているだけでもインターネット、GPS、Wifi や Bluetooth (ポケモンGO Plus)、AR などのテクノロジーを体験することが出来ます。

 「地図を見ながらポケモンを探すときに、なぜ自分のいる場所と地図がスマホの画面で連動して動いているのか?」昨年私の息子(6歳)は「ネットが遅くて地図がダウンロード出来ないよ!」とか「建物の中だからGPSがズレて変なところに行ってる!」など普通に話すようになりました。また、ポケモンGO Plus をつけているときも「Bluetooth ペアリングしなおそう!」など、これからの IoT の時代において必須となる概念を自然と身に着けることが出来ました。

暗算まで身につきました

 更に、ポケモンを進化させるために「アメ」を集める必要があるのですが。息子(6歳)がその「アメ」をあと何匹捕まえたら50個になるか、などの計算まで行えるようになっていたのには驚きました。例えば、 現在「アメ」が40個あるとして、あるポケモンを1匹捕まえると3個アメが手に入り、それを博士に送るともう1個もらえるので、50個到達までは、(50-40)÷ (3+1)=2 あまり 2、ということで、あと3匹 ゲットだ!などです。

 ポケモンGOへの子供の飽くなき好奇心が、簡単な暗算まで6歳の子供にマスターさせてしまったのです。この「ポケモンGO」の持つ力を子供の成長に役立たせれば、思いもかけない大きな効果を得ることが出来ます。

ポケモンは現代の昆虫採集?

 また,ポケモンGOは現代の昆虫採集のような側面もあります。私の子供の頃は、郊外ですがまだまだ、空き地のような場所でバッタやカマキリ、蝶や蝉、ザリガニなどを日々捕まえる事ができました。しかし今特に都心部のマンションなどにおいてはそうした場所はほとんどなく、自由に昆虫採集を出来る環境は失われてしまいました。

 その昆虫採集の代替手段の一つとなっているのが、ポケモン採集ともいえます。もちろん、実物の昆虫のほうが、リアルさ、手触り、匂い、様々な感覚に訴えかけてくるものがあり、リアルな体験の方が子供に良いことは間違いありません。しかし毎日・毎週本物の昆虫採集が出来る場所に連れて行くのは、都会に住むご家庭においてはなかなか難しいのが現状だと思います。

 そうして昔ほど簡単に昆虫採集が出来なくなってしまった分、子どもたちはポケモンのバーチャルな体験で代替して様々な事を学んでいるのだと私は考えています。ポケモンのバーチャル体験を禁止してしまっても、結局私たちの時代に比べると昆虫採集もほとんど出来ないままで貴重な子供時代も終わってしまいます。(毎週子供を豊富に昆虫がいる野山に連れて行ってあげれば別ですが)それよりはバーチャル体験を通じてでも少しでも何かを学んだほうが良いと思います。もちろん、バーチャル体験だけでなくたまには本物の昆虫採集にも連れて行ってあげて、そこで実際の生物はこんなにもリアルなんだ、という感動が分かってくれればそれで全く問題ありません。

 ポケモンGOはスマホゲームと言っても、課金なしでも遊ぶこともできる良心的なものと思いますので、これまでスマホゲームということで禁止にしてきた保護者の方も是非親子で一度どのようなものか、体験されてはいかがでしょうか。当スクールでも、今後ポケモンGOも授業に取り入れようと検討中です。また次回以降の授業が決まり次第お知らせいたしますので、今しばらくお待ち下さい!